人間工学
Online ISSN : 1884-2844
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56 巻, 3 号
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実践報告
オープンデータ
  • -月ごとの集計からみた特徴-
    大西 明宏
    2020 年 56 巻 3 号 p. 101-107
    発行日: 2020/06/15
    公開日: 2021/07/03
    ジャーナル フリー

    本研究は労働災害における転倒の原因と季節影響を把握することを目的とした.厚生労働省がウェブにて公開している2011年および2012年の休業4日以上の死傷病報告からおおよそ四分の一を無作為に抽出した事故の型が転倒のデータを用い,各事例の発生状況を精読し,キーワード抽出により,滑りやつまずき,踏み外し等の転倒原因を発生月ごとに集計した.その結果,滑りが全体の4割以上で最も多く,これに続いたつまずきは2割に届かず,踏み外しは1割未満であり,これら両年の傾向は類似していた.また,滑りによる転倒は12月から2月に多発しており,とりわけ凍結によるものが多いこと,さらにこの凍結面での滑りの多さは平均気温偏差との関連性がうかがえた.ただし本研究が対象としたデータには都道府県あるいは市町村名の情報がなかったことから地域差は特定できなかった.これらの結果により,滑りによる転倒への対策を優先すること,とりわけ冬季の対策をすべきであると示唆された.

原著論文
  • -歩きスマホの防止策考案に向けて-
    武内 寛子, 上田 真由子, 中村 志津香, 芦高 勇気, 和田 一成
    2020 年 56 巻 3 号 p. 108-118
    発行日: 2020/06/15
    公開日: 2021/07/03
    ジャーナル フリー

    本研究では駅構内における歩きスマホの実態を把握し,効果的な防止策に繋がる特徴を明らかにすることを目的として調査を行った.調査Ⅰでは駅構内で歩きスマホをしている人の人数調査を行った結果,若年者の歩きスマホ率が高いことや,夕方の混雑する時間帯で歩きスマホ率が高くなることが分かった.調査Ⅱでは実際に駅構内で歩きスマホをしていた人としていなかった人にその場で声をかけてアンケート調査を行った.その結果,降車時にスマホの操作を行っていたか否かがその後歩きスマホをするか否かに大きく影響していることが示された.また,歩きスマホを行う理由として今すぐに操作を終わらせることを優先したいと考えている傾向や,歩きながらでも操作できるという自信がある傾向が見られた.また,必要性が低い操作であるにもかかわらず歩きスマホをしている人や,無意識に行っている人が多いことが分かった.

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