人間工学
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オープンデータ
身体オブジェクトを用いたデジタル感情表現ツールの開発
鞠 潤亨山下 利之岡崎 章
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2023 年 59 巻 2 号 p. 55-62

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抄録

患児のための“プレパレーション”は,“インフォームドコンセント”に対応したものであり,看護師や医師が患児の不安のようなネガティブ感情,痛みのような感覚を把握して,適切に対処する必要がある.しかし,患児は自分の感情を言葉で正確に伝えることが困難であることが多いために,小児看護ではしばしば患児の行動や言動の観察に頼ることが多い.そこで,筆者らは,“プレパレーションツール”の一つとして,身体オブジェクトを用いたデジタル感情表現ツールを開発した.身体オブジェクトは,人間の身体(頭部,胴体部,大腿部,下腿部,足)と同様の比率を持つ5つのパネルで構成される.患児はパネル間の角度を調整して身体オブジェクトの姿勢を変えることによって,感情を表現することができる.本ツールがネガティブ感情をいかに表現するかに関する基礎データを得るために,17名の大人の実験参加者による実験を実施した.その結果,ネガティブ感情にあるときと同様の姿勢に身体オブジェクトの姿勢を変形させることが確認され,本ツールの小児看護におけるプレパレーションツールとしての可能性が示唆された.

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© 2023 一般社団法人 日本人間工学会
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