人間工学
Online ISSN : 1884-2844
Print ISSN : 0549-4974
ISSN-L : 0549-4974
原著論文
成人男性における重心位置の異なるウォーキングシューズ着用歩行の運動学・運動力学的分析
河村 隼太赤木 暢浩角 紀行和田 健希武本 悠希小東 千里齋藤 誠二
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 59 巻 5 号 p. 223-229

詳細
抄録

本研究は,重心位置の異なるウォーキングシューズの着用が成人男性の歩容に与える影響を明らかにすることを目的とした.成人男性19名に対して重心位置の異なる靴(つま先重心,中央重心,踵重心)を着用させ9 mの歩行路を歩行させた.そして,フットクリアランス,床反力,下肢関節角度,下肢関節モーメントを算出した.その結果,荷重応答期の膝関節モーメントは踵重心がつま先重心と中央重心より有意に小さかった.荷重応答期の鉛直床反力(床反力鉛直ピーク1)は中央重心と踵重心がつま先重心より有意に小さかった.また,遊脚初期の膝関節角度と遊脚中期の股関節角度は中央重心がつま先重心より有意に小さかった.以上のことから,つま先重心では遊脚期前半において,クリアランスを確保するために膝関節と股関節の屈曲を増大させる必要があることが示唆された.また,踵重心では荷重応答期において,ヒールロッカー機能が安定的に発揮されることが示唆された.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人 日本人間工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top