本研究は,パワーアシスト装置の使用時に操作者の感じる違和感に着目し,操作者の持ち上げ操作に関する印象について議論を行った.具体的には,パワーアシスト装置を模擬した実験装置を使用し,持ち上げ物体へのアシスト力の発生した持ち上げ操作に対しSD法を用いた印象評価実験を行った.回答を主成分分析により解析をしたところ,印象の特徴は第1に安心感,第2に操作感,第3に受動感であることを導いた.違和感に着目し,印象評価項目間の偏相関係数を求めグラフィカルモデリングによる確率モデルを表したところ,アシスト量の大きいときに違和感と感情的性質の強い印象評価項目との相関が高まることがわかった.本研究から得られた知見は,パワーアシスト装置を想定した物体持ち上げ操作を対象に,人間機械協調の観点における人間側の考慮をより進めるべく,印象面での要求事項に示唆を与える.