人間工学
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短報
押す動作においてつま先が接触しない装置のリアハンドル高さ算出方法の考案
鈴木 浩之 野曽原 由香
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2024 年 60 巻 2 号 p. 141-145

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抄録

移動用リアハンドルを装備した運搬器具であるカートの中には,操作者の身長が180 cm程度であると押す際に身体負担が高いと考える姿勢がみられる.これは,ハンドル高さが原因と考えることができる.そこで,押す動作において,理論的につま先が装置に接触しない,かつ,身体負担が少ないリアハンドル高さの算出方法を考案した.押す動作においてつま先が装置に接触しない高さは,操作者の前腕長さ,上腕長さおよびこれらの角度,推定される歩幅から求めた.身体負担が少ない高さ範囲は,台車を押す動作において押しやすい高さを男女年代別肘頭下縁高割合で報告している文献からから求めた.そして,この算出方法を日本人女性5%タイルおよび米国人男性95%タイルの人体寸法データに適用した.その結果,つま先が接触しない,かつ,身体負担が少ないリアハンドル高さ範囲は942.5~1044.2 mmを得た.本結果は理論的に求めた算出値であるため,検証実験を行いたいと考えている.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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