アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎,花粉症,喘息など)の患者は,咳,鼻づまり,かゆみといった症状により睡眠が妨げられることが多い.このような症状の原因にはアレルゲンや温度,湿度などの空気環境が関与している.しかし現在の住宅全体を空調する方法は効率的でない場合がある.本研究では睡眠中の空気環境管理を個人のベッド空間に限定して,効率的に制御する方法を提案する.具体的にはシングルベッドサイズのインフレータブル構造を用いて,その内部の空気清浄や温湿度調整と,リアルタイムでの環境をモニタリングするシステムの構築をめざす.実験の結果,断熱性のあるインフレータブル構造を採用することで,一般的な家電製品の技術を利用して目標とする空気清浄,加湿,暖房を1時間以内に実現可能であることが確認された.一方で,冷房機能については小型ペルチェ素子の適用に課題が残ることが示された.