列車を運転する際の注視行動の定量化と, 視覚情報を追求する特徴をあきらかにするため, アイカメラを用いて電車運転士の視線分析をおこなった. その結果, 前方看視は正面約10°の範囲に注視点が多く, 1回当り0.5~0.9sec帯に代表される短時間のスキャンニングが繰返されている. また, カーブや踏切, 駅ホームなど, 情報が不足, あるいは複雑なところでは注視時間もながく, 注意の度合がたかまる傾向をあらわし, 信号への視線は見えはじめの段階で多く向けられているなど, 幾つかの特色があきらかになった.