本研究は, 多変量解析によって交通事故と道路施設との関係を明らかにすることを目的とする. 国道2号線の広島県警が管轄する部分を, 1kmごとの区間に分割して, 多発地区・非多発地区をそれぞれ20地区ずつ選定して解析した. 結果としては, (1)道路幅が広いことは運転者に自由な運転を許し, かえって事故が多発する, (2)横断歩道・信号機を多く設置することは追突事故を増やす要因になる, (3)高スピードは死傷者事故増大に結びつくなどであった.
(1)の結果を国道31号線の改良に応用することになり, 部分的に車線数が拡幅されていたのを全体として2車線に統合した結果, 事故が半減した.