1979 年 15 巻 5 号 p. 271-278
低周波音 (8~50Hz; 105dB) における人体の反応を評価した. 低周波音は, 直接外気に接する聴覚器, 前庭器, 呼吸器に作用するものと思われる. そこで, 低周波音に全身曝露して人体反応を調べ, 次の結果をえた.
i) 低周波音に敏感な人は, 閾値が低くかった. もっとも, 多くの人では, 他の報告と同じ閾値をもっていた.
ii) 閾値付近で脳波の振幅が減少した.
iii) 心拍数, 呼吸数は減少傾向を示した. 肺循環脈波は振幅が増した.
iv) 血圧および身体の動揺は一定の傾向を示さなかった.