追跡手動制御系における微小動作の解析
個人差表現について
1985 年 21 巻 3 号 p. 125-133
詳細
1985 年 21 巻 3 号 p. 125-133
本研究は, 手動制御系における制御者の認識, 判断などのレベルでの個人差を表現するための指標として, 制御動作の無動作部と動作部とから成る微小動作について解析を行った. その結果, 次の諸点が明らかになった. (1) 微小動作と認識, 判断および応答過程に関する制御動作アルゴリズムとは関連がある. (2) 微小動作を定義するパラメータは, 統計的に有意な個人差を表現する. (3) 微小動作の動作内容を決定する因子への重みづけは, 被験者, 試行により異なり, 試行を繰り返すことによる誤差面積の推移と関連する. (4) 無動作時間における個人差は先天的な要因により, 動作時間については監視, 認識過程の変化, 入力情報への重みづけの差異による.
