人間工学
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低周波全身鉛直振動の人体に及ぼす生理学的・心理学的作用
吉田 義之町田 信夫三木 良太
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1985 年 21 巻 3 号 p. 117-124

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抄録

振動数0.2~2Hzの低周波鉛直振動の人体に及ぼす影響を生理学的・心理学的反応の両者から評価した. 生理学的反応は, 心拍数, 呼吸数, 唾液分泌量および身体動揺度を指標とした. 心理学的反応は, SD法を用いて振動量と感覚との関係を調べた. その結果, (1) 低周波振動暴露により心拍数, 呼吸数, 唾液分泌量が減少した. (2) 身体動揺度から0.8Hz以下の振動で閉眼片足直立時間の有意な減少が得られた. (3) SD法のデータをもとに因子分析を行った結果, 力動性因子が抽出されVALと強い相関が認められた. (4) 生理学的・心理学的反応の両者間には相関関係が認められた. 人体影響の評価は, 生理学的反応に心理学的反応を加え, より客観的に行うことが必要であると思われる.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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