人間工学
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音声波のスライスレベルと明瞭度の関係について
石原 学白滝 順
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1987 年 23 巻 4 号 p. 241-245

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抄録

本論文は, 音声波を3値または5値化するときのスライスレベルと明瞭度との関係を調べるために行った実験の報告である.
音声波のスライスレベルの設定は, 複数のコンパレータを用いた回路を設計して実験を行った. 実験Iでは, 3値化のため2個のコンパレータの比較電圧を変化させて零レベル電圧の付近のノイズ除去を行った. その結果は-40.5dBで明瞭度63%と, いちばん高い値を得た. 実験IIでは, 5値化のため4個のコンパレータを用いてノイズ除去を行った後に, スライスレベルを変化させ明瞭度を求めた. その結果は-14.0~11.0dBで明瞭度68~73%が得られた. 実験IIIでは, コンパレータの出力電圧比を変えて明瞭度の測定を行ったが, 特別な変化は得られなかった.
これらの結果, 音声を聞きとるときの音声波とスライスレベルとの関係が重要であることを示した.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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