抄録
実験ブースを用い, 照度を10, 32, 100, 320, 1000lxに設定したときの, VDT作業への影響を考察した. 被験者は男子11名で, 漢字正誤判別実験を行い, フリッカー値と心拍数などの測定を行った. その結果, 10, 32, 100lxでは, 照度と文字輝度の関係から覚醒水準が低下し, 作業精度が低くなることがわかった. 1000lxでは, 照明による光刺激量の関係から, 作業修了後, 覚醒水準は低下するものの作業精度は高いことがわかった. 320lxでは, 覚醒水準は低下せず, 作業精度も高いことがわかった. 以上より, VDT作業における照度変化は, 光刺激量の変化およびコントラストの変化として, 覚醒水準の高低と文字の見やすさに影響することがわかった.