抄録
7セグメント数字表示器は, 車載用として昼夜の別なく使用されている. その際, 照射照度が明視性に最も大きい影響を及ぼす. そこで本研究では, 発光ダイオード (以下LEDと略), 螢光表示管 (以下FLDと略), ネガタイプ液晶表示器 (以下LCDと略) を試料として, 照射照度と主観的輝度等価点 (以下PSEと略) との関係を比較するための実験を行った結果, 次のことが示された.
(1) 発光表示器とLCDは, どれも数字の形状やセグメントの発光輝度の分布状態の相違によって, 照射照度と提示数字に有意差がみられた.
(2) PSEは照射照度の増加とともに低下するが, LEDの場合は, 1000lxでほぼ平衡に達し, FLDの場合は比較的低下がゆるやかであり, LCDは300lxから急激に低下する特性がみられた.
(3) ウェーバー比による明るさの弁別は, それぞれFLD, LED, LCDの順となった.