抄録
本研究では, システムの状態を目標の状態にできるかぎり早く変更させることを目的とした“状態変更型”の手動制御をON/OFF2接点型の操作器具によって行う場合の人間の操作特性を探った.
作業者の制御動作を観察したところ, 操作を進めていく過程でストラテジーを“移動”を目的としたものから“調整”を目的としたものに変化させていることがつかめた. そこで, このストラテジーを変化させるときの状態パラメータに注目した. 特に“移動”戦略を終了した時点で制御量を最終目標点に到達させるために操作器具をON状態にしなければならない時間の総計τのモデル化を試みたところ, この作業における人間の行動を明確に表現することができた.