人間工学
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水温の熱さ・冷たさ判断への順応水準理論の適用
増山 英太郎
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1994 年 30 巻 4 号 p. 201-208

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抄録

ヘルソンの考案した順応水準理論は, 背景効果 (Yj) や個人経験 (Tk) を考えにいれて, 当該刺激Xiがどのようにして判断値Jiを生むかを考えた優れた理論であるが, 残念なことに, 色彩と重さの実験にしか適用されなかった. ここでは湯の温度判断の実験に順応水準の考えを適用したが, 式の導出は筆者がなんとか行った. 当該刺激Xiと判断値Jiとの関係は, 基本的にはフェヒナー則に従って, Xiが増大すれば, その対数値に比例して, より熱く判断されるようになる. Xiが同じであれば, 背景温度Yjが高いほど, より冷たいと判断されるようになることが, 美しい関数関係で示された.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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