抄録
プロセスプラントの運転に用いられているCRTオペレーションに, インタフェースとしてタッチスクリーンを導入することによる効果を, 画面設計の観点から検討した. まず, これまでの研究で明らかになっている人間工学的要素などをもとにした画面を作成し, 手動介入が要求される状況下でのタッチオペレーションの特性を探った. その結果, 画面切替, 選択操作の多さによる作業者への負担, 調整操作の煩雑さといった, 従来の機器においても観察されていたような問題点が得られた. これらの難点に対して, 本研究では指をタッチスクリーン上で擦るという, プラントオペレーションにおいてより有効な操作方式を見いだした. また, これに対するインタフェースを設計し, 一連の検証実験により, その有効性を確認することができた. このようにして, CRTオペレーションにタッチスクリーンを効果的に利用するための画面設計について, いくつかの間題と指針を得ることができた.