人間工学
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水中自転車エルゴメータの開発
金 相培佐藤 陽彦石井 勝
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1999 年 35 巻 5 号 p. 333-338

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抄録

肥満者や腰痛者や低体力者の運動処方や手術後のリハビリテーションを考慮して, 水中自転車エルゴメータを開発した. 羽根を4枚取り付けた羽根車の回転により負荷を生成し, その回転速度によって運動強度を変える. この装置は上肢のみによる運動, 下肢のみによる運動, 四肢による運動が可能である. 下肢運動, 上肢運動, 四肢運動の異なる条件で運動を行わせたところ, エルゴメータの回転速度の増加につれて3運動条件とも同様に酸素摂取量と心拍数が直線的に増加し, 値が高いのは四肢運動で, 次いで下肢運動, 上肢運動の順であった. また, 四肢運動は上肢運動, 下肢運動に比べ, 自覚的運動強度が低い傾向がみられた. 従って, 四肢運動が呼吸循環系訓練には最も有効であるが, 場合により運動様式を自由に選択できるため, 無理のない運動が可能な本装置の利用が大いに期待される.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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