人間工学
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鉄道車両の床の傾斜に起因する不快感
鈴木 浩明田中 綾乃小美濃 幸司白戸 宏明
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キーワード: 鉄道, 快適性, 姿勢, 歩行, 勾配, 筋電図
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1999 年 35 巻 5 号 p. 323-332

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抄録

鉄道車両がカント (横断勾配) のついた曲線区間に停止した際に生じる床の傾斜角と乗客 (乗員) の不快感との関係を検討するための基礎実験を行った. モックアップ車両の床面の傾斜角度を0~12度まで2度刻みで変化させ, 被験者に傾斜の強さや不快感の評価を求めた. 乗客 (乗員) の一般的な姿勢や行動を考慮して, 着座姿勢, 停立姿勢, 通路歩行時, 車内販売用ワゴン操作時の各条件を検討対象とした. 歩行実験では履物の違いが評価に及ぼす影響も検討した. その結果, 着座・停立条件の不快感は歩行・車内販売条件より高いこと, 靴の違いは歩きにくさの評価には影響するが, 傾斜に起因する不快感の評価には影響しないこと, 車内販売作業では傾斜角が6度を超えると急速に不快感が高まること, などが明らかになった. 最後に, 傾斜角度を独立変数, 不快感を従属変数とする回帰式の作成を試みた.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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