人間工学
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就労者の唾液中・尿中コルチゾール標準値作成の試みとその有用性の検討
高速液体クロマトグラフィーを用いて
織田 弥生中村 実龍田 周小泉 祐貴子阿部 恒之
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2000 年 36 巻 6 号 p. 287-297

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抄録

ストレスの指標として使用されることの多い, 唾液中・尿中コルチゾールの値の標準値を作成することを目的とした. 20代から50代の就労している男性85名, 女性81名について, 勤務日と休日の2日間にわたり1日5ポイント (起床時, 10:00, 11:40, 14:00, 16:00) 尿と唾液を採取し, HPLC法でコルチゾールの定量を行い, 性・時刻・測定日別の平均値と標準偏差を示した標準値表を完成した. また, 全検体中の唾液299検体・尿155検体についてはRIA法でも分析を実施して分析定量値の相互換算式を算出し, 異なる分析法間の値の比較が可能となるようにした. 一過性ストレス時の唾液中コルチゾール値を標準値表と比較したところ, 標準値から大きく逸脱することが確認されたことから, ストレス測定においてこの標準値が有用であると考えられた. 最後に, この標準値表の活用範囲について検討した.

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