クッションの座り心地についての研究は, 人間工学の分野で多く行われている. そして, クッション材を選定する際の対象者の属性による違いを考慮することは重要であるとされる. そこで体型という属性に着目し, その属性により対象者の適合クッションを推定するモデルを提案する. すでに先行研究で体型と座り心地の関係が見出され, クッション材の総合評価と関係が深い評価項目は硬さに関する項目であるとされる. 従来, クッション特性を表す評価項目と座り心地を表す総合評価の関係を示すモデルには重回帰式が用いられてきた. 本研究では非線形性を考慮したファジィ推論を提案した. 検証実験を行い, その結果, 推測値と実測値に高い相関が見られ, システム自体の妥当性も得られた. さらに研究を進め, 従来主観的評価モデルに不適切とされる重回帰式に, ダミー変数を加味するとかなり優位性のあるモデルになりうることがわかり, 両モデルの比較・検討も行った.