人間工学
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ユーザビリティ評価における認知不安の指標としての瞬目の利用可能性
松尾 太加志
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2004 年 40 巻 3 号 p. 148-154

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抄録

本論文の目的は, 瞬目が認知不安の指標として働くのかどうかを実験的に検証することである. ユーザビリティ評価には, 有効性や効率だけではなく, 満足度に関連した認知不安を検討することが必要である. 本実験での被験者の課題は, 階層メニュー構造の中からターゲット単語を探索することである. これまでの研究では, 瞬目は課題の困難度に影響を受けることが明らかになっている. 本研究では, 独立変数として困難度を操作するのではなく, 被験者の反応プロトコルによって, 認知不安が生起したかどうかを判断した. 試行錯誤にメニューを行ったり来たりしている場面で認知不安が生起していると仮定した. その結果, 正しく探索できた場合に比べて, 試行錯誤場面で瞬目率が増加していた. これは, 課題の困難度の影響ではなく, 認知不安による影響だと考えられ, 瞬目が認知不安の指標として有効であることが確認された.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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