本研究は, ドライバースイング中のゴルファーのコック・ロール運動およびクラブ性能とゴルフクラブのヘッドスピードとの関係を実験と統計的手法で示す. はじめに, コック・ロール運動を計測するために著者らが開発した三次元ジャイロセンサを使用し, ヘッドスピードを計測するために (株) ミズノの打球解析システムを使用した. 次に, ヘッドスピードに関係のあるコック・ロール運動およびクラブ性能変数を変数増減法で選択した. 重回帰分析法により, 選定された変数とヘッドスピード運動変数の関係を推定した. 自由度調整済み決定係数と分散分析により推定した重回帰式の精度を検定した結果, 有意差が認められた. 最後に, ヘッドスピードに影響を及ぼす変数を抽出した. 用具性能の向上とともに実際にスイングするゴルファーの運動技術の向上が, ヘッドスピードの向上に必要な要素であることを示した.