人間工学
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レーシングドライバと一般ドライバの定常円旋回中の運転挙動の違いについての考察
原中 喜源栗原 亮
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2007 年 43 巻 5 号 p. 268-276

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抄録
この実験では半径20mの定常円を旋回中のレーシングドライバと一般ドライバの運転挙動の違いを30km/hで定速旋回した場合とタイヤに横滑りを生じる速度域で走行した場合 (高速旋回) について比較検討した. その結果30km/h定速旋回中の各ドライバの最大横加速度の平均値は一般ドライバのほうが大きくなる傾向があり, 高速旋回では前輪の横滑りが発生する速度の平均値はレーシングドライバのほうが高いことがわかった. これらはカーブを同じ速度で走行していても運転技能の高いドライバほど車の運動状態は安定していることを意味する. また30km/h定速旋回では旋回軌道の修正は操舵により行われる傾向がすべてのドライバにみられるが, 高速旋回ではレーシングドライバはスロットル操作で軌道修正を行っていた. その理由としてレーシングドライバは車のサスペンション特性を利用する能力があるために実験車の運動性能を最大限に利用する操作がスロットル操作による軌道修正であったためと我々は考えた.
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© 一般社団法人 日本人間工学会
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