人間工学
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43 巻, 5 号
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  • 齋藤 誠, 村木 里志, 栃原 裕
    2007 年 43 巻 5 号 p. 245-251
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    本研究は, 摩耗した靴が高齢者の歩行に与える影響について明らかにするために, 若年者との比較を行った. 高齢者男性8名に異なる四つの摩耗させた靴 (踵部分の摩耗の厚さ2条件と踵外側部分の摩耗の幅2条件) と一つの摩耗していない靴を履かせ10mの自由歩行をさせた. そして, 歩行中における任意の3歩分の距骨下関節外果と腓骨頭における衝撃加速度, 下肢角度, 足圧中心軌跡および下肢筋放電量を測定した. その結果, 下肢の安定性と筋放電量には靴条件間に差はなく, 靴の安定性の低下の影響はみられなかった. 一方, 踵部分を11mm摩耗させた靴では距骨下関節における衝撃加速度が増加することが認められた. 以上のことから, 高齢者は靴底の摩耗による衝撃緩衝性の低下の影響を受けやすいことが示唆された. したがって, 高齢者向けの靴では踵部分の摩耗への配慮が重要である.
  • 川上 慶, 川本 貴志, 山崎 信寿
    2007 年 43 巻 5 号 p. 252-260
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    女性事務作業者に対するアンケート調査結果から, 90%近くが悩む下腿のむくみを軽減するための椅子条件を提案した. 低身長者は標準的な机面に合わせて座面を高くするため, 座面前端を前傾させて膝裏の圧迫を軽減する座面形状を検討した. 女性被験者5名に女性の作業姿勢の特徴である体幹を直立させた姿勢でVDT作業を行わせ, 既報の16分割実験椅子を用いて最適な前傾角度と位置を探索した. むくみの計測には生体電気インピーダンス法を用いた. その結果, 臀溝の前方20mmで15°傾ければ, むくみを軽減しつつ, 臀部や下腿の不快を回避できることがわかった. この座面形状をもつ試作椅子および一般的な事務作業椅子での1時間のVDT作業時のむくみと机面および床面にかかる力の計測, タイピングテストによる作業効率評価を被験者10名について行った結果, 試作椅子では, 下腿のむくみが軽減され, 上下肢にかかる負荷を増やさずに, 従来椅子と同等の作業効率が得られることがわかった.
  • アカアマダイの外観評価について
    中村 誠, 平 雄一郎, 森元 映治, 橋立 知典, 池田 一朗, 三好 佳廣
    2007 年 43 巻 5 号 p. 261-267
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    本研究では, 水産物の安全性の確保と流通における技術水準の維持を図ることを目的に, 魚市場で鮮魚の品質を即座に見定める競り人の知見に着目してこれをモデル化し, 鮮魚の品質評価システムを構築することを目指している. 本報では, その取りかかりとしてアカアマダイを対象魚に設定して, 競り人による外観評価, 魚体体表の色彩および魚肉鮮度との関係について調査した結果を述べる. 外観評価のカテゴリーは計5群とし, 魚体体表の色彩の測定点には, 背部2点, 頭部1点, 体幹部3点, 腹部2点, 眼球1点の計9点を設定した. 測定項目には, 魚体体表の色彩としてL*a*b*表色系に規定される各指標と輝度を, また魚肉鮮度を評価する指標にはK値を定めた. 統計的手法により指標間の関係を解析した結果, 競り人の評価には魚体上の計5ヶ所の色彩の特徴がよく反映され, これらを変数として構成する統計的モデルは高い確度を有することがわかった. また, 競り人の外観評価は魚肉の鮮度ともほぼ対応しており, 競り人の知見を品質評価システムに活かす手法は有用であることが示された.
  • 原中 喜源, 栗原 亮
    2007 年 43 巻 5 号 p. 268-276
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    この実験では半径20mの定常円を旋回中のレーシングドライバと一般ドライバの運転挙動の違いを30km/hで定速旋回した場合とタイヤに横滑りを生じる速度域で走行した場合 (高速旋回) について比較検討した. その結果30km/h定速旋回中の各ドライバの最大横加速度の平均値は一般ドライバのほうが大きくなる傾向があり, 高速旋回では前輪の横滑りが発生する速度の平均値はレーシングドライバのほうが高いことがわかった. これらはカーブを同じ速度で走行していても運転技能の高いドライバほど車の運動状態は安定していることを意味する. また30km/h定速旋回では旋回軌道の修正は操舵により行われる傾向がすべてのドライバにみられるが, 高速旋回ではレーシングドライバはスロットル操作で軌道修正を行っていた. その理由としてレーシングドライバは車のサスペンション特性を利用する能力があるために実験車の運動性能を最大限に利用する操作がスロットル操作による軌道修正であったためと我々は考えた.
  • 山下 利之, Ahmad EIBO
    2007 年 43 巻 5 号 p. 277-281
    発行日: 2007/10/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
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