人間工学
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都市の緊急災害時における人間行動の型
新潟地震を例として
黒田 正典
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1969 年 5 巻 3 号 p. 164-173

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抄録

ここで緊急災害と名づけるものは, 都市における大地震を典型として, これに類似する各種災害を意味する. 緊急災害は人口密集地帯の広範囲にわたる物理的破壊・経済的損失・生命的危険から成る. この災害は多元的・異質的諸要因によって条件づけられる. 緊急災害における人間の行動は, かかる多元的要因の複合体に対する反応であり, したがって現在のところ, 単純な函数的関係に分析することは困難である. それは大づかみの傾向として記述される. この観点のもとに, 新潟地震の調査結果を参考として, 22の命題が仮説的に提出された. たとえば, 危険感, 避難の様態, 火気の処理, 反応の男女差, 情報源, トランジスタ・ラジオの役割, 流言の内容と条件など.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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