フランスの生理学者で政治家であった Paul Bert (1833~1886) が気圧生理学の研究を開始したのは丁度100年前で, 彼の不朽の名著“大気圧-実験生理学的研究”が出版されてから90年経過した. しかし, わが国では入手困難なためほとんど読まれていない.
本書出版90年を記念して, 彼の伝記と本書の概略を簡単に記載した.
本書は低・高圧それぞれにつき, 史的展望, 彼の実験, 総括および結論の3部よりなっている.
高圧生理学およびその応用の現況と比較しつつ, 本書の興味深い個所を抄出したが, 高圧生理学の黎明期において. すでにその知識と経験が高水準にあることに驚嘆させられた.