物理療法科学
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Print ISSN : 2188-9805
短報
磁気刺激における強度と時間の違いが健常人のヒラメ筋H波とM波に与える影響
Goh Ah Cheng木村 貞治阿部 裕一崕 啓介永富 丈博濱田 宇玄
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2014 年 21 巻 1 号 p. 88-94

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抄録

近年では,電磁場(electromagnetic field, EMF)を痛みやその他の健康問題に対して適用することが普及してきている.わが国でも,EMFを用いた刺激装置は数多く存在している.その様なEMF刺激装置の1つとして,低周波正弦波の電磁場(low frequency magnetic field, LFMF)刺激装置である磁気刺激装置(マグドクターウェーブ,ファミリーサービスエイコー製,以下,磁気刺激装置)がある.そこで本研究の目的は,磁気刺激装置の高出力モードと低出力モードを用いた2種類のLFMF刺激が運動神経の興奮性に与える影響を,健常人のヒラメ筋H波とM波を指標として検証することとした.被験者を相対的高出力であるモードA(435.3 mT/s)および相対的低出力であるモードB(404.3 mT/s)にランダムに割り付ける観察研究を用いて,60分間のLFMF刺激を行った.その結果,LFMF刺激装置である磁気刺激装置が,健常人におけるa運動ニューロンの興奮性を増加させる可能性が示された.この増加は,LFMFの出力強度と刺激時間に直接関連していたことから,LFMFの出力を増加させ,刺激時間を長くすると,a運動ニューロンの興奮性が増大する可能性があるものと考えられた.

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© 2014 一般社団法人 日本物理療法学会
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