2014 年 21 巻 1 号 p. 64-68
本研究の目的は脳卒中1症例にて部分免荷トレッドミル歩行訓練(BWSTT)と足関節背屈筋に対する随意運動介助型電気刺激(IVES)の併用治療の臨床有用性を検証することとした.対象は脳梗塞後左片麻痺を呈した59歳男性とした.研究デザインは各期4週間のABデザインを用い,8週間のフォローアップを行った.B期にBWSTTとIVESの併用治療を実施した.評価はFugl-Meyer Assessment(FMA),足関節背屈の自動関節可動域(A-ROM),膝伸展筋力,10 m歩行速度,2分間歩行距離(2MD)とした.FMA,10 m歩行速度はA期に最も改善した.膝伸展筋力はフォローアップに最も改善した.A-ROMと2MDはB期に最も改善した.機器設定は5分程度で可能で治療の受け入れは良好であった.A-ROMや2MDのB期の改善について本治療が足関節の随意性や歩行の協調性の改善に寄与したものと考えられた.本治療の臨床有用性は良好であった.