体外循環技術
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原著
日本体外循環技術医学会会員施設を対象とした体外循環実施状況調査:体外循環症例データベース構築に向けて
日比谷 信亀井 哲也吉田 靖高井 浩司中村 智裕加納 寛也窪田 將司見目 恭一
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2012 年 39 巻 2 号 p. 120-125

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抄録
 ICEBPが実施している成人体外循環症例登録の入力項目を日本の実情に合致させた体外循環症例データベースを構築することを目的に各施設における体外循環の実施に関する基本情報を調査した。調査対象施設は、JaSECT正会員が所属する557施設。基本調査項目および体外循環の実施に関する項目の108問を調査した。
 回収率は48%であった。インターネット接続可能な施設は87%。データを取り扱うアプリケーションソフトウェアの所持率は、MS-Excelが81%、次いでFileMaker 51%であった。回路調査において、体外循環記録方法は手書きが最多で53%であった。分離体外循環使用回路は35%であった。無輸血組成の回路充填液は87%であった。
 体外循環症例数はJACVSDの2010年の年間登録数の74%に達し、JaSECT会員の施設がすべて体外循環症例登録事業に参加し、順調に登録数が増加すれば、統計解析機能を早期に提供できると考えられる。
 ICEBP等のデータベース項目が日本で共通して使用できると判断できた。また、本邦の開心術症例分類の結果から冠動脈疾患、弁疾患、大動脈疾患に対する体外循環症例がほぼ均等に登録可能であり、世界的に見ても特徴ある疫学的評価が行える環境にある。
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© 2012 一般社団法人 日本体外循環技術医学会
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