体外循環技術
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39 巻, 2 号
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原著
  • Makoto Hibiya, Tetsuya Kamei, Kiyoshi Yoshida, Koji Takai, Tomohiro Na ...
    2012 年39 巻2 号 p. 113-119
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/14
    ジャーナル フリー
    To construct a perfusion database in Japan by modifying the input parameters of the adult perfusion registry of the International Consortium for Evidence-based Perfusion (ICEBP) to suit the present status of Japan, we surveyed basic information on perfusion using a questionnaire consisting of 108 questions (basic survey items and items regarding the practice of perfusion) in 557 institutions to which regular members of the Japanese Society of Extra-Corporeal Technology in Medicine (JaSECT) were affiliated.
    The questionnaire recovery rate was 48%. Access to the Internet was possible in 87% of the responder institutions. As applications for data processing, 81% possessed MS-Excel, and 51% possessed FileMaker. Concerning circuits, handwriting was used for perfusion recording for 53% of circuits, and selective cerebral perfusion was used for 35%. A crystalloid priming solution was used for 87%.
    The number of perfusion cases in these institutions accounted for 74% of that of registered cases during this year in the Japan Adult Cardiovascular Surgery Database (JACVSD). If all institutions where JaSECT members work participate in the perfusion case registration project, the number of registered cases will steadily increase, and a sufficient statistical power will be achieved early.
    This survey suggested that the database parameters used by the ICEBP can be used commonly in Japan. In addition, based on the results of the open heart surgery cases in Japan, almost equal numbers of perfusion cases of coronary heart diseases, those of valve disease, and those of aortic diseases can be registered, which allows globally valuable characteristic epidemiological evaluation.
  • 日比谷 信, 亀井 哲也, 吉田 靖, 高井 浩司, 中村 智裕, 加納 寛也, 窪田 將司, 見目 恭一
    2012 年39 巻2 号 p. 120-125
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/14
    ジャーナル フリー
     ICEBPが実施している成人体外循環症例登録の入力項目を日本の実情に合致させた体外循環症例データベースを構築することを目的に各施設における体外循環の実施に関する基本情報を調査した。調査対象施設は、JaSECT正会員が所属する557施設。基本調査項目および体外循環の実施に関する項目の108問を調査した。
     回収率は48%であった。インターネット接続可能な施設は87%。データを取り扱うアプリケーションソフトウェアの所持率は、MS-Excelが81%、次いでFileMaker 51%であった。回路調査において、体外循環記録方法は手書きが最多で53%であった。分離体外循環使用回路は35%であった。無輸血組成の回路充填液は87%であった。
     体外循環症例数はJACVSDの2010年の年間登録数の74%に達し、JaSECT会員の施設がすべて体外循環症例登録事業に参加し、順調に登録数が増加すれば、統計解析機能を早期に提供できると考えられる。
     ICEBP等のデータベース項目が日本で共通して使用できると判断できた。また、本邦の開心術症例分類の結果から冠動脈疾患、弁疾患、大動脈疾患に対する体外循環症例がほぼ均等に登録可能であり、世界的に見ても特徴ある疫学的評価が行える環境にある。
  • 奥村 高広, 横谷 翔, 見目 恭一
    2012 年39 巻2 号 p. 126-131
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/14
    ジャーナル フリー
     陰圧補助脱血法がローラーポンプ吐出流量に及ぼす影響を水実験にて検証した。内径1/2インチのポンプチューブを用い、JIS法に基づき100cmH2O負荷時にローラーによる圧閉部での逆流量が0.35~0.75mL/分(適正圧閉)、18mL/分(不完全圧閉L)、50mL/分(不完全圧閉H)の状態で静脈リザーバー内に-20~-100mmHgの陰圧を負荷した。不完全圧閉Hではポンプ停止状態にて、ポンプ流出側で負荷陰圧の約25%の陰圧の漏れを認めた。回転数100rpmの駆動状態(無負荷での吐出流量は約4.2L/分)では、適正圧閉では陰圧に比例して吐出流量は低下し、-100mmHgでは10%の流量低下を認めた。不完全圧閉では陰圧には比例せず、-20mmHg時に不完全圧閉Lで約2.3L/分、不完全圧閉Hで約2.0L/分で最低流量となった。吐出流量の低下は、陰圧負荷がポンプ流入部に達することで、圧閉されたポンプチューブの復元に影響を及ぼすためと考える。特に不完全圧閉では陰圧の影響が流出側にまで及ぶため、より顕著な流量低下を招いたと考える。設定流量を正確に得るには適正圧閉調整が重要であり、ローラーポンプにおいても送血流量の実測が必要と考えられた。
  • ―小児体外循環中の使用経験―
    谷 誠二, 高林 新, 小津 泰久, 西川 祐策, 冨田 雅之, 川野 登志子, 暮石 陽介, 宇佐美 俊介, 行光 昌宏, 岩田 英城, ...
    2012 年39 巻2 号 p. 132-137
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/14
    ジャーナル フリー
     当院では2010年7月より小児体外循環中にセボフルラン(SEV)を末梢血管拡張薬として使用するプロトコールを導入した。末梢血管拡張作用を中心にSEVの有用性を検討したので報告する。対象は体重7.5kg以下の18例で、体外循環(CPB)は灌流量2.7L/min/m2、目標血圧35~55mmHgとし、大動脈遮断中に血圧55mmHg以上にてクロルプロマジン(CPZ)1~3mg/回の間欠投与のみを行ったC群(n=10)と、SEV 0.5~2.0%を併用したS群(n=8)に分けて比較検討した。両群間の体重、CPB時間、大動脈遮断時間、最低直腸温に差はなく、S群のSEV投与開始はCPB開始後25±16分であった。S群のCPZ総使用量は2±1mgでC群の9±4mgより少なかった(P<0.01)。C群のCPZ投与開始時と15分後の血圧には(56±11、52±11mmHg)差を認めなかったが、S群のSEV投与開始時血圧は15分後には低下し(58±6、40±10mmHg)(P<0.01)、その後安定した(20分後42±9mmHg)。CPB中尿量はC群86±93mL、S群206±113mLとS群が多かった(P=0.02)。SEVは体外循環中に適切な尿量を維持しつつ、より早い血圧調節を行い得ることから、小児体外循環の血管拡張薬として有用である。
研究論文
  • 曽山 奉教, 吉田 秀人, 筏 義人
    2012 年39 巻2 号 p. 138-143
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/14
    ジャーナル フリー
     体外循環中のアルカレミア環境下では、いが状赤血球による赤血球凝集(凝集)により人工肺前後の圧較差(圧損)および静脈リザーバフィルタ内外の液面差(ホールドアップ値:HU)が増大するといわれている。そこで凝集とpHの関係について、牛血を使用した4条件下でpHを上昇させ、圧損とHUの時間変動を測定した。その結果、O2吹送でpHが上昇しても、NaHCO3(メイロン)添加がなければ凝集を認めず、メイロン添加によるpH上昇ではメイロン添加量が多いほど、凝集の程度は大きかった。また、CO2吹送でpH上昇を抑制すると、メイロン添加量が多くても凝集を認めず、CO2吹送を停止にすると、pH上昇に伴う凝集を認めた。次に、凝集を解除するためにCO2吹送と限外濾過法(extracorporeal ultrafiltration method:ECUM)の2方法によりpHの低下を試みた。その結果、CO2吹送開始後、pHは低下し凝集は速やかに解除され、問題なく循環を維持したが、ECUMでは凝集解除が不十分であった。
     凝集はpHのアルカリ化とメイロンに含まれるNaHCO3の相乗効果によるものであり、凝集解除法としてCO2吹送が有用であると結論した。
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