2017 年 44 巻 1 号 p. 1-6
成人におけるveno-venous extracorporeal membrane oxygenation(VV ECMO)は送脱血カニューレをそれぞれ挿入する方法で行われることが多かった。近年、ゲティンゲグループ社より成人ECMO用ダブルルーメンカテーテル(Avalon-DLC)が開発された。1ヵ所の穿刺で済むため出血や感染のリスクが少ないなど、いくつかの利点がある。一方で、内頚静脈に挿入できるAvalon-DLCサイズには限りがあり、十分なECMO補助流量を得られず、適切な酸素化と脱炭酸ガス化ができない可能性がある。本研究ではAvalon-DLCを用いて十分に酸素化と脱炭酸ガス化が可能かを動物実験にて検討した。成ヤギ8頭(60.2±0.4kg)にAvalon-DLCを挿入後、VV ECMOを確立した。人工呼吸器を停止させ、補助流量を1~4L/minで維持しECMO開始から20分間の動脈血の酸素飽和度(SaO2)、酸素分圧(PaO2)、二酸化炭素分圧(PaCO2)を計測した。補助流量が2L/min以上のときSaO2を80%以上で維持することができた。VV ECMO開始から20分後のPaO2は補助流量1、2、3、4L/minのとき、それぞれ28.6±4.5、62.6±9.3、127.9±21.5、183.9±30.1mmHgだった。PaCO2は補助流量が2L/min以上のとき45mmHg以下で維持できた。Avalon-DLCを用いたVV ECMOでは2L/min以上の補助流量を維持することで良好な酸素化・脱炭酸ガス化が得られ、有用性が高いと考えられる。