体外循環技術
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原著
植込型補助人工心臓機器トレーニングにおけるBlended learningの評価
村辻 雄大吉田 幸太郎工藤 寛子松本 猛志峰松 佑輔楠本 繁崇吉田 靖宮川 繁高階 雅紀上野 高義
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2025 年 52 巻 4 号 p. 581-590

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抄録

 植込型補助人工心臓のトレーニングにおいて、オンラインと対面の指導を融合したBlended learning(BL)を構築し、その教育効果と有用性について後方視的に検討した。

 対象はHeartMate3を装着し従来型の対面指導を受講した患者26名、ケアギバー75名(従来群)、およびBLを受講した患者29名、ケアギバー107名(BL群)とした。

 従来群には紙資料を配布し、講習、機器操作練習、筆記・実技試験を対面で実施した。BL群には紙資料に加え、PDF資料、動画、確認問題、筆記試験から成るe-learningを提供し、機器操作練習と実技試験を対面で実施した。

 次に、両群の対面指導時間と回数、筆記・実技試験の結果、遠隔期実技試験の結果、両電源喪失発生率を比較した。

 対面指導時間と回数はBL群で有意に低値を示し、筆記・実技試験の両方において、BL群で有意に高い合格率を認めた。遠隔期実技試験と両電源喪失発生率において、有意差は認めなかった。これらの結果から、BLでは対面指導の時間と回数が短縮され、完全対面方式と同等以上の教育効果を得ることが可能であると示された。

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© 2025 一般社団法人 日本体外循環技術医学会
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