抄録
経皮的心肺補助法(以下,PCPS)については,各種の循環補助あるいは呼吸補助として多くの施設で用いられている。今回我々は,急性肺梗塞に伴う呼吸不全および急性右心不全により,ショック状態を呈した63歳男性に対し,PCPS下に血栓溶解療法を行い循環動態の安定化を得,急性期を脱し救命できた症例を経験した。症例は起床後突然呼吸困難が出現し,チアノーゼも出現したため救急車にて当院に搬入された。呼吸状態の改善を図るため挿管したが,その後完全房室ブロックとなり意識消失し,血圧も触知出来ず呼吸停止となった。心肺脳蘇生を施行し血圧の上昇,調律の回復を得るも収縮期血圧は70~80mmHgと循環動態が不安定なためPCPSの導入となった。治療中潅流量に比例し,血圧・動脈血ガス値の推移が認められたが,容易に対処することができた。PCPSは右室前負荷の軽減,ならびに人工肺により安定した酸素化が得られるなど,右心不全症例に対し有用な補助手段であると思われた。