体外循環技術
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当院における胸部大動脈瘤手術時の補助手段
―遠心ポンプによるV-Aバイパス―
西村 和司赤松 俊二渡邊 正樹中島 準仁久保 茂佐藤 達朗北野 満博山里 有男
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1995 年 21 巻 2 号 p. 52-58

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抄録
胸部大動脈瘤手術時の補助手段として,大腿静脈―大腿動脈バイパスを12例に行い,その有効性について左心バイパス法と比較検討した。静脈脱血,人工肺使用により流量変動幅は0.76±0.37l/minと安定していた。また,体温はバイパス終了時36.5±0.8℃で,バイパス中に低下はみられなかった。術前後の遊離ヘモグロビンおよび,血小板,BUN,クレチニン,GOT,GPTの術後変動について,左心バイパス法と比較検討したが有意差を認めなかった。回路内にカーディオトミーフィルター付き静脈血リザーバーを組み込むことにより,ローラーポンプ吸引による迅速な術野出血の回収と,開放回路への変更が可能となり,より幅広い症例への対応が可能であった。
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© 日本体外循環技術医学会
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