体外循環技術
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体外循環を併用した椎骨脳底動脈瘤クリッピング術の経験
石川 隆志井平 勝山内 章弘高須賀 広久小野 正人日比谷 信伊藤 康宏服部 良信
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1996 年 22 巻 1 号 p. 50-56

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抄録
脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血(WFNS Grade I)症例に対し,開胸式体外循環を用い直達クリッピング術を施行した。症例は,46歳男性。軽度の頭痛により発症し,椎骨動脈造影,3D-CT(HES-CT)により,左右椎骨動脈合流部に窓を形成した巨大(15×20mm)な動脈瘤を認めた。瘤の発症部位および形状から,通常の低血圧麻酔によるクリッピング術では,瘤破裂の危険が大きく,脳幹部への影響も危惧されるため,循環遮断の可能性を考慮し,開胸式低体温体外循環を併用した。体外循環は,開心術と同様の回路を用い,右房落差1本脱血,上行大動脈定常流ローラポンプ送血を行った。低体温(26℃),心拍動下に低血圧(動脈圧40mmHg)にすることにより,瘤剥離が可能となり,3カ所のクリッピングを施行した(体外循環時間:119分)。術中,ヘパリン加による頭部術野からの出血量が問題となった。また,複科による合同手術を行う際,各科,各部署の密な連絡が重要であり,チーム医療の重要性を再認識した。
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© 日本体外循環技術医学会
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