体外循環技術
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体外循環を用いて下大静脈・右房内腫瘍血栓を伴った悪性腫瘍摘出術を施行した2例
小野 正人石川 隆志井平 勝山内 章弘高須賀 広久伊藤 康宏日比谷 信服部 良信
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1996 年 22 巻 1 号 p. 44-49

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抄録
肝臓と腎臓を原発とする悪性腫瘍が下大静脈から右房まで進展した2症例に対し,体外循環を補助手段として外科的切除を行った。症例1:58歳男性。平成6年11月,CT,腹部超音波検査等で,肝癌,門脈右枝腫瘍血栓,右肝静脈から右房にかけての腫瘍血栓と診断された。体外循環開始後,右房壁を切開し右房内に突出する血栓を切断摘出し,下大静脈から右肝静脈合流部を剥離後,腫瘍を下大静脈より摘出した。体外循環時間は58分であった。症例2:59歳男性。静脈造影,MRI等で,右腎腫瘍・下大静脈右房内腫瘍血栓と診断された。体外循環開始後,上大静脈と左右腎静脈の間で下大静脈を遮断し,細動器を用いて電気的心室細動とし右房を切開した。右房より下大静脈に腫瘍を押し込み,心嚢内で下大静脈を再遮断し,20Jにて除細動後,腹腔内より右腎静脈を切開し腫瘍血栓を右腎と共に一塊に摘出した。体外循環時間は55分であった。2症例とも体外循環を用いることにより,腫瘍を安全に摘出することができた。
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© 日本体外循環技術医学会
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