1996 年 22 巻 2 号 p. 26-29
我々は1994年1月以降,通常の開心術症例にヘパリンコーティング回路を使用してきており,その有用性について検討してきた。その結果,ヘパリンコーティング回路の使用は体外循環がもたらす数々の生体侵襲の緩和を意味するものであり,術後における患者状態の早期回復と向上をもたらした。そこで今回,脳分離体外循環にもその適用枠を広げるため回路構成の改良を行った。改良後,ヘパリンコーティング回路の使用に伴ってヘパリンの減量が可能となり,遠心ポンプの採用により安全性の確保と脳灌流操作の簡略化が可能となった。