1996 年 22 巻 2 号 p. 54-57
冠動脈バイパス術中の常温体外循環法(W群45例,直腸温37℃)の有用性について,従来の中等度低体温体外循環法(C群46例,直腸温28℃)と臨床的に比較検討した。W群はC群に比べて手術時間,体外循環時間,大動脈遮断解除から体外循環終了までの時間が短縮された。C群とW群の手術死亡は1例で,脳合併症はC群に1例,IABP使用症例は両群ともなかった。常温体外循環法は,中等度低体温体外循環法と比較し,術後合併症もなく安全に行え,手術時間,体外循環時間等の短縮ができた。