体外循環技術
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キャピオックスSXの使用経験
斎藤 司工藤 英範南 茂小林 剛志高浜 由起子細田 泰之浜口 淳木村 礼未
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1996 年 22 巻 2 号 p. 58-64

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抄録

無輸血にて体外循環を行った虚血性心疾患例より,Capiox SXを使用した50例と,D-703Compactfloを使用した43例を対象とし,ガス交換,PLT,Free-Hb,β-TG,PF4,術後ドレーン出血量,操作性および付属機構について比較検討した。その結果,ガス交換は,両人工肺とも良好で安定していた。また,体外循環中のPLT,Free-Hb,β-TGおよびPF4は,両群間に差は見られなかったが,術後のPLTとICU入室後6時間のドレーン出血量に有意差が見られた。これについて検討した結果,止血操作を行った術者の影響が大きく関与していた。操作性および付属機構の比較では,SXはD-703より血液レベルが見やすく,残血処理が容易で,付属機構の比較でも,SXは付属機構が少なく,血液漏れや誤作動などによるトラブルは見られず,安全な体外循環を行う事ができた。付属機構に関しては,安全性の向上を目的とした場合,必要最小限にするべきであると考えられた。

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© 日本体外循環技術医学会
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