1996 年 23 巻 1 号 p. 63-64
疎水性である膜型人工肺の中空糸は,界面活性剤により親水化され,血漿リークを起こしてガス交換能を低下させる可能性があることから,界面活性剤エキソコルポールが人工肺に与える影響を検討した。臨床例でエキソコルポール使用群と非使用群で体外循環中の酸素化能を比較した結果,使用群の方がやや低値を示した。また,実験例でも界面活性剤により人工肺のウェット化が認められ,ガス交換能が低下した。以上により,臨床ではエキソコルポールの使用方法について十分考慮する必要性が認められた。