我々の施設では,悪性骨腫瘍に対して温熱局所灌流を行ってきたので,体外循環回路の変遷や技術的な問題点などについて報告する。全身麻酔下に大腿動脈には14ゲージ静脈穿刺針を,大腿静脈には金属カニューレを挿入して送脱血管とした。回路内には小児用人工肺,熱交換器,温度プローブを組み込んだ。ターニケットを用いて,体循環と分離後,患肢の局所灌流を250~300ml/minの流量で行った。回路内血液温が43℃ になったところで,シスプラチンを回路内に注入し,60分間の灌流を行った。初期の数年間は血液透析用のポンプと回路を用い,次に特注回路と心筋保護液注入用ポンプに変更してきた。しかし,温度上昇が不十分な点やプライミング量,回路内圧の上昇等の問題点は残った。今回,試作の回路と心筋保護液注入用ポンプに変更することで,局所温熱灌流を有効に行うことができた。