1997 年 23 巻 3 号 p. 7-11
当院では,現在使用している体外循環自動記録システムを発展改良することにより,技士の負担の軽減や体外循環を更に安全に施行できるのではないかと考え,体外循環ナビゲータシステムを開発している。今回,このシステムの一環として,体温変動に関する予測式を作成した。作成した予測式に既存の臨床データを代入して行ったシュミレーションでは,10分後では90%以上,15分後でも75%以上の確率で予測が可能であった。また,このシュミレーションデータの表示をデジタル表示だけでなく,体温経過グラフとともにグラフ表示することで,体温変動の予測をより分かり易くすることが可能であった。この結果は,臨床での使用に対して,予測時間,精度,表示方法ともに充分であり,体温変動に対するトラブルの防止や体温管理を行う上で有用であると考えられた。