体外循環技術
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MICSにおける体外循環開始時の脱血方法について
又吉 徹忍足 幸保乙幡 敏夫四津 良平三丸 敦洋井上 仁人長 泰則茂呂 勝美尾本 正中尾 桂永川田 志明
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1998 年 24 巻 2 号 p. 35-38

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抄録

当施設では,患者に優しい低侵襲の心臓手術として小切開で開心術(MICS)を行っている。MICS時の体外循環では,細いカニューレで脱血を行うため,遠心ポンプを用いた強制脱血を行っている。遠心ポンプによる強制脱血を施行した場合,気泡混入の可能性があるため,我々は遠心ポンプの手前に密閉したハードシェル貯血槽を用いた体外循環回路を考案し,良好な脱血状態を得ることができた。右心房を開ける2本脱血の場合,体外循環開始時に気泡混入の可能性はあるが,1本脱血の場合,体外循環開始時に気泡混入の可能性は少ないので,貯血槽をバイパスし体外循環を開始する。脱血方法により体外循環の開始法を変え,特に1本脱血時には貯血槽をバイパスすることにより,PCPS回路と同様に,低充填量で容易に体外循環が開始できるようになった。

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© 日本体外循環技術医学会
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