抄録
下行大動脈閉塞症例にextracorporeal lung and heart asisst(ECLHA),V-Aバイパスを,薬剤性toxic epidermal necrosis(TEN)にて入院加療中高度の肺機能不全症例にextracorporeal lung assist(ECLA),V-Vバイパスと病態に応じてカニュレーション法を変更した。症例1は後負荷による静脈圧の上昇と心不全の状態であり,更に,腹部臓器への血流が遮断されていたため,右房脱血,大腿動脈送血バイパスが有効であった。また,症例2は,下大静脈脱血,右房送血バイパスにすることで,直接酸素化血が左心系に流れ込むため,動脈血ガス分圧を良好にコントロールでき離脱した。また,長期に及ぶ補助循環時の更なる生体適合が今後の課題と考えられた