抄録
非侵襲脳内酸素飽和度監視装置を用いて,脳内酸素飽和度(rSO2)と体外循環中の各因子との相関関係と,安全域について検討した。症例は術前に脳梗塞,脳塞栓などの中枢神経障害の既往がない50例とし,測定項目はBS,Hb,PaO2,PaCO2,灌流圧,灌流量,食道温,送血温とした。その結果,体外循環の前中後で経時的なrSO2の変化はなく,各因子との間に有意な相関はみられなかった。また術後,中枢神経障害を起こした症例はなかった。体外循環中のrSO2の平均値は64.9±7.4%であったが,最低値は51%,最高値は82%であり,ともに術後中枢神経障害は起こしていないため,安全域が何%であるかは明言できない。しかし,当施設では51%を最低点としてとらえ60%を目安としたい。また,体外循環中にrSO2を低下させないことが重要であると考えられ,低下率7%を目安としたい。更に,当施設での体外循環指標はrSO2を低下させない安全なものであると考えられる。