体外循環技術
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Suctio n型スタビライザーOctopus2の使用経験
高木 俊宏吉田 磨小林 敬小倉 美佐江長尾 俊彦
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2000 年 27 巻 2 号 p. 83-85

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抄録
【要旨】心拍動下におけるCABGを行うにあたって,冠動脈とGraftを吻合する際,静止野を得るために,スタビライザーは必要不可欠である。従来のスタビライザーは,心拍動を抑制し,心臓にスタビライザーを圧迫固定することにより心機能低下がみられる。これに対してOctopus 2は,吸引によって固定することにより,心機能低下はみられず,また,心拍数に関係なく吻合場所に的確に固定できる。そこで,1999年1月より9月までに行った心拍動下CABG7症例のうち,吸引型スタビライザーOctopus 2と,血管吻合中に起こる冠動脈末梢への虚血防止のためにシャントチューブを使用した3症例について,術中の血行動態,心拍出量の変化,および術後CK-MBを測定し検討した。その結果,術中は有意な変化はなく,安定した血行動態,心拍出量を得ることができた。今回用いたOctopus 2とシャントチューブの併用は有効であった。
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© 日本体外循環技術医学会
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