体外循環技術
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輸液製剤などの電解質濃度を電極法にて測定する場合の留意点
増田 行雄楠本 繁崇野口 悟司伏見 了高階 雅紀田野 保雄
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2001 年 28 巻 1 号 p. 16-19

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抄録
血液ガス分析装置は,血液中電解質濃度を正確に測定するために,色々な工夫や補正が取り込まれているが、心筋保護液および輸液製剤などの蛋白を含まない水溶液では測定値の信頼性に問題があるとされている。今回我々は,電解質濃度測定試料として電極用常用標準血清,各社電極用校正液,輸液製剤,心筋保護液を準備し,これを3社の血液ガス分析装置と臨床検査において電解質濃度の分析に用いられる炎光分析装置で測定し,電極法について検討した。その結果から,各測定試料の標示値とそれぞれの分析装置から得られた値との間では,心筋保護液および輸液製剤などの蛋白質を含まない水溶液で標示値どおりの濃度を示さない場合があった。高カリウム濃度における直線性は確認されたものの,血液ガス分析装置で得られた測定値には炎光分析装置で得られた測定値より誤差が大きく,電極法では血液を含まない製剤を測定する際,標示値と実測値が一致しない場合もあることを,留意しておく必要性があると考えられる。
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© 日本体外循環技術医学会
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