抄録
【要旨】一般に体外循環に用いるヘパリンおよびプロタミン追加投与量は,活性化凝固時間(ACT)を測定して決めている。ヘモクロンレスポンス(レスポンス)およびHepcon-HMS(ヘプコン)は,必要なヘパリン量とプロタミン量をin vitroで定量的に算出することができる。今回,成人開心術症例(n=14)を対象に,ACTが480秒になるために必要なヘパリン量とヘパリン中和に必要なプロタミン量の算出値の比較を行った。その結果ヘパリン投与量は両機種間に有意差はなかったがレスポンスが少ない傾向にあり,実際の投与量(300IU/kg)とレスポンスの間にはp<0.05とレスポンスが有意に少なかった。プロタミン投与量は両機種間および実際の投与量の間に有意差はなかった。レスポンスでヘパリン投与量を決定する場合には,ACTが目標値まで延長しないことが考えられるため注意が必要である。また,プロタミン投与後のACTはヘパリン投与前の値まで回復し,ヘパリン濃度に基づいたプロタミン投与量を算出する両機器は,体外循環における血液凝固管理に有用であった。