体外循環技術
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30 巻, 2 号
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  • 森重 徳継, 田代 忠
    2003 年 30 巻 2 号 p. 77-81
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • ―ヘモクロンレスポンスとHepcon-HMSの比較―
    古垣 達也, 大塚 雅昭, 高橋 宏, 中山 凱夫, 軸屋 智昭, 榊原 謙
    2003 年 30 巻 2 号 p. 82-85
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【要旨】一般に体外循環に用いるヘパリンおよびプロタミン追加投与量は,活性化凝固時間(ACT)を測定して決めている。ヘモクロンレスポンス(レスポンス)およびHepcon-HMS(ヘプコン)は,必要なヘパリン量とプロタミン量をin vitroで定量的に算出することができる。今回,成人開心術症例(n=14)を対象に,ACTが480秒になるために必要なヘパリン量とヘパリン中和に必要なプロタミン量の算出値の比較を行った。その結果ヘパリン投与量は両機種間に有意差はなかったがレスポンスが少ない傾向にあり,実際の投与量(300IU/kg)とレスポンスの間にはp<0.05とレスポンスが有意に少なかった。プロタミン投与量は両機種間および実際の投与量の間に有意差はなかった。レスポンスでヘパリン投与量を決定する場合には,ACTが目標値まで延長しないことが考えられるため注意が必要である。また,プロタミン投与後のACTはヘパリン投与前の値まで回復し,ヘパリン濃度に基づいたプロタミン投与量を算出する両機器は,体外循環における血液凝固管理に有用であった。
  • 樋口 浩二, 吉井 新平, 鈴木 章司, 大澤 宏, 保坂 茂, 多田 祐輔
    2003 年 30 巻 2 号 p. 86-88
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【要旨】体外循環(CPB)回路内の静脈血酸素飽和度(SvO2)は,酸素運搬量の過不足を把握するうえで重要な指標である。特に高度希釈症例や復温時,あるいは予定灌流量が維持できない場合には,SvO2測定値および灌流量や体温などの諸条件からSvO2の変動幅を予測し,的確かつ速やかに対応する必要性が発生する。そこで今回,当院で作成した至適灌流量算出式によるCPB中のSvO2予測の可能性について検討した。方法は当院で施行したCPB症例88例の各Total-Bypass時の臨床データ〔灌流量,体温,Hb,SvO2〕を至適灌流量算出式に代入してSvO2の計算値を算出し,臨床値と比較した。その結果,SvO2の計算値と臨床値は高い相関を示した。CPB中のSvO2の予測には,灌流量,Hb,SaO2,体温,体温別酸素消費量の各項目が必要であるが,至適灌流量算出式は,CPB前に予定灌流量を計算するための式であるが,低体温時の酸素消費量の計算が可能なこと,および上記の項目がすべて満たされていることから,この式を利用したSvO2予測は可能であると考える。
  • 唐澤 あや子, 百瀬 直樹, 後藤 悟, 山越 理恵, 又吉 盛博, 安藤 勝信, 中島 逸郎
    2003 年 30 巻 2 号 p. 89-92
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【要旨】コンピュータの有用性は,数施設から報告されているが,広く普及するには至っていない。これは,コンピュータの複雑なキー操作が体外循環の妨げになると思われていることが原因の一つではないかと考える。今回この点について,コンピュータと筆記の操作時間を比較検討した。コンピュータとしてメディカルトライシステム社の人工心肺支援システム,筆記には一般的な人工心肺チャートを使用した。体外循環中の各イベント時に,それぞれコンピュータ操作時間と筆記によるチャート記載時間を計測した。計測の結果,筆記はコンピュータ入力の約3.5倍の時間を要した。これはコンピュータが数回の簡単なキー操作で入力可能であったのに対し,筆記では血圧や温度などを書き写すため,時間と手間を要した。以上のことから,コンピュータは,筆記よりも体外循環操作をスムーズに行えることが示唆された。更にコンピュータは,把握しなければならない情報が一括表示され,設定値から外れた場合にはアラームを発するなど,安全性確保や省力化を進めるうえでも有用であると考えられる。
  • 菊地 昭二, 清水 裕也, 谷川原 勝史, 開米 秀樹, 松浦 健, 赤坂 純逸, 田林 晄一
    2003 年 30 巻 2 号 p. 93-96
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【要旨】体外循環においては様々なコーティング処理をした人工心肺回路が使用されている。体外循環中は血液が人工心肺回路に接触することで,炎症性サイトカインの放出,および補体凝固系の活性化を生じるが,テルモ社が開発したXコーティング処理は,血球や血漿タンパクの吸着および変性を抑制し,血小板活性化を抑えることを可能とした新規ポリマーによる新しいコーティング方法である。今回我々は,比較的侵襲度の高い超低体温脳分離体外循環法を用いた大動脈人工血管置換術で,ノンコーティング人工心肺回路,ヘパリンコーティング人工心肺回路,およびXコーティング人工心肺回路を用い,それぞれの生体適合性を臨床で比較検討した。各回路とも体外循環中の血中O2濃度は高いレベルで推移し,またCO2濃度は適切なレベルを保った。赤血球数,白血球数,血小板数に有意差は認めなかったが,ブラジキニンの生産がXコーティング人工肺回路において有意に抑制された。
  • ―生体適合性,凝固・線溶系について―
    押山 貴則, 鬼頭 貴志, 宮島 真悟, 小林 力, 成澤 隆, 田中 弘之
    2003 年 30 巻 2 号 p. 97-99
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    現在,生体適合性に優れたヘパリンコーティング回路が開発され広く使用されている。今回我々は,より生体適合性を高める目的に,ソフトリザーバーを使用した半閉鎖型回路(C群)を試作し,従来使用している開放型回路(0群)とを,生体適合性,凝固・線溶系について比較検討を行った。C群5例,O群7例を対象とし,白血球数,血小板数,遊離ヘモグロビン,穎粒球エラスターゼ,インターロイキンー6(IL-6),トロンビン・アンチトロンビン複合体(TAT),α2プラスミン・インヒビター・コンプレックス(PIC),FDP・D・ダイマー(D・ダイマー),フィブリノーゲンをヘパリン前,人工心肺開始後15分,60分,プロタミン投与後60分,1病日後に測定し比較検討を行った。白血球数,血小板数,遊離ヘモグロビン,顆粒球エラスターゼ,PIC,フィブリノーゲンでは,両群間に差は見られず同じ推移での変動が見られた。TAT,D・ダイマーでは,O群に比べC群でプロタミン投与後上昇傾向が見られたが,術後1病日には両群とも術前値に復していた。IL-6では,人工心肺開始後60分でC群に比べ,O群で上昇したが有意差は見られなかった。ソフトリザーバーを使用したC群は空気との接触が少ないため,より生体適合性に優れていると考えられたが,今回の検討では有意差は見られなかった。
  • 又吉 徹, 森田 雅教, 柴野 豊彦, 平林 則行, 稲垣 利紗, 落合 亮一, 小林 紘一, 申 範圭, 四津 良平
    2003 年 30 巻 2 号 p. 100-103
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    今回,体外循環の低侵襲化を目的として,開心術での閉鎖型回路の使用と,サクション血を直接回収しないことが可能であるか検討した。対象は1本脱血の冠動脈バイパス術(CABG),ポートアクセスによる僧帽弁形成術(PA-MVP),2本脱血の僧帽弁置換術(MVR)の各5症例である。閉鎖型回路が使用可能であるかの検討として脱血回路に混入する気泡の大きさを測定した。1本脱血のCABG,PA-MVPでは40μm以上の気泡は検出されなかったが,2本脱血のMVRでは脱血時に40μm以上の気泡が多数検出された。次にdideco社製D903を用いてサクション血を心内貯血槽部に回収しその量を測定した。貯血量はCABGで454±125mL,PA-MVPで685±221mLであったが,MVRでは静脈貯血槽の最低血液レベル維持が困難となり計測できなかった。よって,CABGとPA-MVPでは,閉鎖型回路の使用と出血を自己血回収装置で回収することが可能であることが示唆された。しかし,安全性などを考慮すると,脱血回路での気泡除去方法,循環血液量の調節法,サクション血の処理方法などの開発を行わなければならない。
  • 篠原 智誉, 仲田 昌司, 木下 真, 江成 美絵, 岩崎 純子, 中村 有志, 高田 裕, 兼田 尚枝, 大内 徳子, 酒井 裕紀
    2003 年 30 巻 2 号 p. 104-107
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    慢性維持透析患者に対する開心術において,CPB中のみにmodified HF(m-HF)を施行し,その有用性を検討した。術前日はHDの施行を原則とした。m-HFの方法は静脈血リザーバーからECUM装置に血液を導き,吸引にて限外濾過を行い,リザーバー上部のプライミングポートより置換液を投与した。置換液は生理食塩水,ソリタT1号,サブラッドBを組み合わせて各電解質の調整を行った。心筋保護液の投与による負荷に対しては,フリーの置換液を使用することで対処でき,術後のクレアチニン,BUN値は術当日のHDを必要としないレベルまで低下した。術中にシングルパスのHDを行うには手術室の設備などの問題があるが,m-HFでは通常の回路構成にて簡便に施行できる。CPB中のm-HFは維持透析患者に対する開心術に対し有用である。
  • 堀 和芳, 安田 剛, 皆川 宗輝, 小林 進, 栗生 和幸, 堀見 洋継, 外山 雅章
    2003 年 30 巻 2 号 p. 108-112
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    慢性維持透析患者に対する人工心肺症例において,術当日に急性血液浄化(ABP)を必要とした症例の周術期の検討を行った。23例の症例中3例が高K血症,3例が肺鬱血による肺水腫にて術当日のABPを必要とした。高K血症の症例は緊急,循環動態の不安定などにより術前の透析(HD)が不十分であると考えられた。肺水腫発症の指標となる血漿膠質浸透圧(COP)-PCWP較差を非ABP群とABP群で比較すると,ABP群が有意に低値を示し,術中の水分バランスをDWからの増加率(△DW)でみたときのCOP-PCWP較差を,非ABP群と肺水腫を呈した群で比較すると△DW5~8%の症例でもCOP-PCWP較差は高値に保たれていた。人工心肺を施行する慢性維持透析患者は,術前至適な透析効率の評価をし,場合によっては術前連日HDを施行し,術中は高いCOPにて間質に水分を移行させずに除水することでCOP-PCWP較差を維持できれば術当日のABPを必要とせず,翌日から通常の維持透析に戻れる可能性が考えられた。
  • 繁在 家亮, 進藤 靖夫, 柳舘 直美, 高橋 俊郎, 長谷川 伸之, 三澤 吉雄, 布施 勝生
    2003 年 30 巻 2 号 p. 113-115
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    人工心肺(CPB)使用の開心術症例からCPB回路内血,および自己血回収装置使用による濃縮処理血の細菌混入の陽性率と菌の種類について検討を行った。2001年1月から12月までの1年間でCPBを使用した138例を対象とし,CPB終了直前にCPB回路サンプルラインからの検体をA群,回路残血を自己血回収装置で処理後の検体をB群とした。両群の細菌検査を行った結果,A群の陽性率は11.6%,B群は34.1%でA群より高い値を示した。両群とも陽性検体の菌種を調べた結果,いずれもブドウ球菌属が多く検出された。陽性率と体外循環時間の比較では,長時間になると陽性率は上昇を示し,これは抗生剤の有効血中濃度を維持できなくなったためと考えられた。対策として,回路内を洗浄する過程で抗生剤を使用する,または洗浄血に抗生剤を添加する,長時間の体外循環の場合には,抗生剤の血中濃度を維持するために追加投与する,などが考えられた。
  • 大動脈瘤合併症例に対する治療戦略
    伊香 元裕, 黒石 治宏, 牧瀬 久美子, 梶原 隆, 久米田 洋志, 落合 由恵, 栗栖 和宏, 富永 隆治
    2003 年 30 巻 2 号 p. 116-118
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【要旨】大動脈弁閉鎖不全症III度を伴う大動脈弁輪拡張症に対するCabrol手術後,遠隔期に真性上行大動脈瘤とIII型大動脈解離を合併した症例を経験した。我々は,1)剥離時の大出血を考慮し,送脱血ルートを確保した上での開胸操作,2)malperfusionを防止するための複数箇所からの送血,3)末梢側の血管壁debrisを中枢側に飛ばさないように順行性循環を維持するという,上記の3つの基本を守り手術を施行した。これにより,無事に手術を終了し得た。
  • 古平 聡, 佐藤 正憲, 東條 圭一, 木下 春奈, 佐藤 栄治, 田口 元健, 麻生 俊英, 小原 邦義
    2003 年 30 巻 2 号 p. 119-121
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【要旨】人工心肺操作中の安全対策として,ハンドクランク,補助電源装置,酸素ボンベなどを通常準備しておくが,陰圧吸引補助脱血法を用いた場合,これらに加え補助吸引器を準備する必要がある。陰圧吸引補助脱血時に起こりうる吸引設備の不良や,VAVDレギュレータの故障時などに対応するため,補助吸引器として使用可能なベンチュリー式吸引装置の試作を行った。本装置はベンチュリー効果により負圧を発生する装置で,医療用ガスボンベあるいは医療ガス配管端末に接続し使用する。本装置は,機構が単純かつ故障しにくく,短時間で装置の変更が可能であり,電源を使用しないという特徴を有する。本装置は,ガス流量12L/minで-200mmHgの陰圧を発生することが可能で,模擬回路において通常のVAVDシステムと同等の性能を発揮することが可能であった。本装置は性能面,機能面ともに補助吸引器として使用可能であるという結論を得た。
  • ―陰陽圧安全装置の開発―
    倉島 直樹, 竹田 博行, 松村 卓広, 岩田 京一, 吉田 哲夫
    2003 年 30 巻 2 号 p. 122-125
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【要旨】陰圧吸引補助脱血法(VAVR)の安全装置として,陰陽圧安全装置を試作し,VAVRの安全性を向上させることが可能であることを以前に報告したが,いくつかの問題点が生じたため,泉工医科工業(株)と共同で圧力計,電磁弁,動作システムなどに新たに改良を加えた陰陽圧安全装置を開発した。本装置は,以前の試作装置に比べ,圧力計をデジタル表示としたため警報設定が確実に調節できた。また,使用電磁弁の内径を大きくすることで,開放時の圧力を速やかに大気開放させることが可能であった。この陰陽圧安全装置を使用することによりVAVRにおける安全性の向上がより可能であることが示唆された。
  • 竹内 修三, 新川 恵巳, 七条 健, 久持 邦和, 柚木 継二, 大庭 治
    2003 年 30 巻 2 号 p. 126-127
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【要旨】乳幼児開心術における無輸血率の向上を図るため,回路内充填量の削減を行った。今回,更に安全で操作性に優れ,低充填量の回路に改良を行うため,過去10年間のASD, VSD, TOFの小児体外循環について検討を行った。その結果,無輸血率の向上は認められたが,現システムの問題点も明らかになった。今後の課題として,より低体重で複雑心奇形症例にも対応できるシステムを確立していきたいと考えている。
  • 佐藤 智明, 見目 恭一, 関口 敦, 會田 治男, 樺澤 寛二, 吉田 譲, 大木 康則, 奥村 高広, 小塚 アユ子, 高橋 克弘, 斎 ...
    2003 年 30 巻 2 号 p. 128-130
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    VAVRの陰圧ラインにフィルタを用いるとフィルタに結露が生じ,リザーバ内圧が上昇する危険があると指摘されているため,模擬実験を行い,リザーバ内圧の変動を測定し,フィルタの使用法を再検討した。実験は,バクテリアフィルタとエアーフィルタの2製品を用い,1)フィルタが加湿されたときのリザーバ内圧変化,2)浸水させたフィルタでのサッカーベント流量(通過ガス流量)を変化させたときのリザーバ内圧を測定した。その結果,バクテリアフィルタでは3時間までリザーバ内圧は上昇しなかったが,浸水時はサッカーベント流量を2.5L/min以上にするとリザーバ内圧が陽圧になった。エアーフィルタではどちらの実験でも実験開始直後からリザーバ内圧が急上昇し陽圧となった。フィルタを使用するには,フィルタの選定や浸水しない工夫,安全装置の使用が重要であると考えられた。
  • 篠田 悟, 林裕 樹, 新美 伸治, 木村 尚子
    2003 年 30 巻 2 号 p. 131-134
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【要旨】今回,ヘパリンコーティング各種回路と生体適合性処理したエクセラインバイオコーティング(泉工医科工業社製)とXコーティング(テルモ社製)回路を使用し6mmチューブにて閉鎖回路を作製して1L/minにて1時間循環させた後,チューブ内面状態を電子顕微鏡で比較観察した。その結果,生体適合性処理回路はともに,ヘパリンコーティング回路と同等な抗血栓性を有することが示唆された。
  • 広瀬 聡, 原 和信, 上田 彰, 栗原 大典, 竹井 沙緒梨
    2003 年 30 巻 2 号 p. 135-137
    発行日: 2003/06/01
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    ポアサイズの異なる4種の血液濃縮器を用いて,限外濾過能,蛋白保持能について体外循環を想定したモデル液を使い比較実験を行った。血液濃縮器は,中空糸膜がポリスルフォン製であるCX-HC11S,SH11,HPH1000,ポリエーテルスルフォン製であるAS11とし,膜面積は共通の1.1m2とした。測定項目は,限外濾過量と蛋白保持能とした。結果では限外濾過量は,AS11の限外濾過量が多い傾向を示した。濾過液からの総蛋白,アルブミンは,すべての血液濃縮器で検出された。限外濾過能,蛋白保持能は中空糸素材,膜厚,ポアサイズの影響を受けるが,その他の要因も多々あり,実験のみの評価は困難であった。
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